🌙 月の名前・呼び名

三日月・十五夜・十六夜…風流な月の呼び方

月の名前について

日本には、月の満ち欠けや月齢、季節、時刻などに応じた風流な月の呼び名が数多くあります。古来より日本人は月を愛で、その姿の変化に名前をつけ、和歌や俳句に詠んできました。

ここでは、代表的な月の名前とその由来を紹介します。

🌑 月の満ち欠けによる呼び名

月は約29.5日の周期で新月から満月、そして再び新月へと姿を変えます。その変化に応じてさまざまな名前がつけられています。

🌑
新月しんげつ
月齢 0

月が太陽と同じ方向にあり、地球から見えない状態。「朔(さく)」とも呼ばれ、旧暦ではこの日が月の始まり(1日)となります。

🌒
繊月せんげつ
月齢 2

新月の翌々日頃に見える、糸のように細い月。「二日月(ふつかづき)」とも呼ばれます。

🌙
三日月みかづき
月齢 3

新月から3日目の細い弓形の月。夕暮れの西の空に見え、古くから愛されてきた月の姿です。「眉月」「若月」とも。

🌓
上弦の月じょうげんのつき
月齢 7

右半分が輝く半月。弓を張った形に見えることから「弓張月」とも。夕方に南の空に見え、真夜中に沈みます。

🌔
十三夜月じゅうさんやづき
月齢 13

満月の少し前、ほぼ丸い月。旧暦9月13日の「十三夜」は「後の月」と呼ばれ、十五夜に次ぐ名月として親しまれています。

🌕
満月まんげつ
月齢 15

月が地球を挟んで太陽の反対側にあり、まん丸に輝く姿。「十五夜」「望月(もちづき)」「望(ぼう)」とも呼ばれます。

🌖
十六夜いざよい
月齢 16

満月の翌日の月。月の出が遅くなり、ためらうように(いざよう)出てくることから名付けられました。「既望」とも。

🌖
立待月たちまちづき
月齢 17

立って待っているうちに出てくる月。十六夜よりさらに月の出が遅くなります。

🌖
居待月いまちづき
月齢 18

座って待っているうちに出てくる月。立って待つには長すぎるほど月の出が遅くなります。

🌖
寝待月ねまちづき
月齢 19

寝て待つほど月の出が遅い月。「臥待月(ふしまちづき)」とも呼ばれます。

🌗
更待月ふけまちづき
月齢 20

夜が更けてから出てくる月。「亥中の月(いなかのつき)」とも呼ばれます。

🌗
下弦の月かげんのつき
月齢 22

左半分が輝く半月。真夜中に東の空から昇り、明け方に南の空に見えます。「弓張月」とも。

🌘
有明の月ありあけのつき
月齢 26〜

夜明け(有明)の空に残る月。下弦を過ぎた細い月で、和歌に多く詠まれた情緒ある月です。

🌘
晦日月みそかづき
月齢 29

月末(晦日)の細い月。新月直前で、夜明け前の東の空にかすかに見えます。「晦(つごもり)」は「月隠り」が語源。

🍂 季節・情景による月の呼び名

月は季節や天候、見える時間帯によっても異なる名前で呼ばれます。

朧月(おぼろづき)

春の夜、霞や靄(もや)にぼんやりとかすんで見える月。柔らかく幻想的な風情があります。

梅雨の月(つゆのつき)

梅雨の時期、雲の切れ間から見える月。珍しさゆえに情趣があるとされます。

名月(めいげつ)

特に旧暦8月15日の「中秋の名月」を指します。空気が澄み、月が最も美しく見える季節の月。

後の月(のちのつき)

旧暦9月13日の十三夜の月。十五夜と対で愛でる風習があり、片方だけ見るのは「片見月」として縁起が悪いとされました。

寒月(かんげつ)

冬の澄んだ夜空に冴え冴えと輝く月。冷たく鋭い光が印象的です。

雨月(うげつ)通年

雨で月が見えない夜のこと。見えない月を想像して楽しむ風流な言葉。上田秋成の怪談集『雨月物語』でも知られます。

無月(むげつ)通年

曇りで月が見えないこと。特に中秋の名月の夜に月が見えないことを惜しむ言葉。

月白(げっぱく)通年

月が昇る前、東の空がほのかに白む様子。月の出を待つ静かな期待感を表します。

📜 月齢と名前の一覧表

月齢旧暦名前読み
01日新月・朔しんげつ・さく
22日繊月・二日月せんげつ・ふつかづき
33日三日月・眉月みかづき・まゆづき
77日頃上弦の月・弓張月じょうげんのつき
1010日十日夜の月とおかんやのつき
1313日十三夜月じゅうさんやづき
1414日小望月・待宵月こもちづき・まつよいづき
1515日満月・十五夜・望月まんげつ・もちづき
1616日十六夜・既望いざよい・きぼう
1717日立待月たちまちづき
1818日居待月いまちづき
1919日寝待月・臥待月ねまちづき
2020日更待月ふけまちづき
2222日頃下弦の月かげんのつき
2626日有明の月ありあけのつき
29晦日晦日月・晦みそかづき・つごもり

💡 月を待つ文化

十六夜から更待月まで、満月後の月には「待つ」という言葉がつく名前が多いことにお気づきでしょうか。これは日本人が月の出を心待ちにしていた証です。

満月を過ぎると月の出は毎日約50分ずつ遅くなります。その待ち時間の過ごし方——立って待つ、座って待つ、寝て待つ——が月の名前になったのです。月を愛でる日本人の風流な感性が感じられます。

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